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素晴らしきアイリッシュ~アイルランド出身の人気バンド

歴史ある国、アイルランドから生まれる音楽はとても魅力的で、アイリッシュという単語を目にしただけで興味を持つ音楽好きな方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

日本人も含めて、アイルランド人ではないミュージシャンが鳴らすアイリッシュ・フォークやアイリッシュ・パンクなどもあるほどです。

今回の記事では、そんなアイルランドが輩出した素晴らしいロック・バンドや音楽グループをピックアップ。

世界的な人気バンドから最近の若手注目株まで、幅広いラインアップで紹介します!

洋楽がお好きな方でも、実はアイルランド人のバンドとは知らなかった、なんて発見があるかも?

ぜひご覧ください!

素晴らしきアイリッシュ~アイルランド出身の人気バンド

DreamsThe Cranberries

2018年、アイルランドが生んだ偉大なシンガー、ドロレス・オリオーダンさんが亡くなったというニュースが世界中を駆け巡り、多くの音楽ファンを悲しみに暮れました。

カリスマティックな存在感と歌声を持ったドロレスさんがフロントを務めるクランベリーズは、メンバー全員がアイルランド共和国のリムリック出身という5人組です。

クランベリーズの初期の代表曲『Dreams』は、日本でも人気の高い香港出身のフェイ・ウォンさんが『夢中人』というカバー曲でヒットさせていますね。

そんなクランベリーズは1993年に『Everybody Else Is Doing It, So Why Can’t We?』をリリースしてアルバム・デビューを果たし、地道なツアーを重ねて徐々に成功をつかんでいきます。

1990年代のオルタナティブ・ロック特有のダークなヘビー・サウンドを取り入れた反戦歌『Zombie』が収録された1994年のセカンド・アルバム『No Need to Argue』は世界中で1,700万枚をこえる特大ヒットを記録し、彼女たちを世界的なバンドへと押し上げました。

ベスト盤から彼女たちの音楽に触れるのもいいですが、まずはこの2枚をぜひ聴いてみてください!

KOH-1

Teenage KicksThe Undertones

アイルランドは多くの偉大なパンク・バンドも輩出しており、伝統的なアイリッシュ・フォークとパンクを融合させたアイリッシュ・パンクと呼ばれるジャンルがあるほどですが、今回紹介しているアンダートーンズは、ストレートかつキャッチーなパンク~パワーポップ・バンドです。

70年代パンクをお好きな方にはよく知られたバンドで、初代ボーカリストのファーガル・シャーキーさんは後にソロ・アーティストとしても成功を収めて英国ロックの重鎮のような存在となっておりますね。

1999年には新たなボーカリストを迎えて再結成を果たしているアンダートーンズといえば、何と言っても永遠のアンセム『Teenage Kicks』を生み出したという功績は外せません。

BBC Radio1の伝説的なDJのジョン・ピールさんが生涯で最も愛した楽曲として知られ、グリーン・デイが変名バンドでカバー、キラーズやまさかのワン・ダイレクションまでもがこの曲をライブで取り上げていることだけでも、その偉大さが分かるというものでしょう。

日本でも、あのザ・ミッシェル・ガン・エレファントがカバーしていましたね。

この曲を聴けば、いつでも誰でも10代に戻れてしまう、魔法のような名曲です。

もちろん、他の楽曲もシンプルでキャッチーなメロディのナンバーが多くありますよ!

KOH-1

Whiskey In The JarTHIN LIZZY

アイルランドが生んだ偉大なる伝説のロック・バンド、シン・リジィ。

ベースとボーカル、主な作詞・作曲を担当するフィル・ライノットさんを中心として1969年に結成され、2020年代の今も「アイルランドの英雄」として国民的な人気を誇る存在です。

初期はアイリッシュ音楽とロックを融合させたようなサウンドを鳴らしていましたが、よりハードかつメロディアスなスタイルへと変化し、1974年からは彼らの最大の特徴といえる、レスポール・ギターのツイン・リード体制という4人組で独自のロックを確立。

フィルさんの歌心あふれるボーカルとコンポーザーとしての確かな才能を感じさせるメロディ、お手本のような素晴らしいリズム感を持ったベース、緩急自在の堅実なドラムス、そして艶やかなツイン・リードの美しさ……彼らの作り上げたサウンドが、1980年代以降にイギリスで巻き起こった、いわゆるNWOBHMブームにおいて再評価されたというのも当然と言えるでしょう。

初めてシン・リジィの音楽を聴くのであれば、まずは1976年リリースの大傑作『脱獄』から1979年の『ブラック・ローズ』までの作品をオススメします!

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You Made Me RealiseMy Bloody Valentine

主に邦楽のロックを聴いているという方であっても、好きなアーティストが「シューゲイザー」という言葉を口にしているインタビュー記事などを目にしたことがある、という人は意外と多いのでは?

1980年代中盤から後半にかけて、イギリスで生まれた「ネオ・サイケデリア」などと呼ばれたサウンドを鳴らすバンドを先駆けとして、1990年代初頭に生まれた音楽ジャンル「シューゲイザー」の中で最も有名かつ重要なバンドが、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインです。

日本のアーティストにも偏愛といっていいほど支持されているバンドで、ファンの中では「マイブラ」という愛称があるほど。

そんなマイブラの音楽性の特徴と言えば、当時所属していたクリエイション・レコーズを破産寸前にまで追い込むほどに徹底的な完ぺき主義のもとで制作された1991年の大傑作『Loveless』に代表される、何層にも重ねられたノイジーなギターと幻想的なメロディとが融合したあまりにも独創的な音世界です。

『Loveless』のリリース後は長い間沈黙を続けますが、2008年には実質的な再結成を果たして奇跡の来日も実現、2013年にはまさかの新作『mbv』もリリースされました。

2021年の3月31日には再びストリーミング・サービスにて配信が解禁、さらには2枚のニュー・アルバムをリリース予定との発表がありました!

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SuperheroesThe Script

2008年のセルフタイトルのデビュー・アルバムを皮切りに、リリースしたアルバムすべてが本国アイルランドで1位を獲得している人気バンドが、ザ・スクリプトです。

イギリスでもほとんどのアルバムがチャート1位を記録しており、アメリカをはじめとする各国における人気も高い、まさにアイルランドが世界に誇るべき国民的バンドと言えるでしょう。

デビュー以来、不動の3人で活動を続けるザ・スクリプトの音楽性は、メイン・ボーカルを務めるダニエル・オドナヒューさんの伸びやかな歌声と美しいメロディを軸として、アイルランド伝統の音楽性とモダンなロック、ポップス、ヒップホップからR&Bに至るまで、さまざまな音楽ジャンルを融合させたハイブリッドなものです。

卓越したソングライティング・センスから生まれる楽曲の数々は、いつまでも色あせないクオリティを持った名曲ばかり。

幅広い音楽性を持ち合わせながらも、聴く人を選ばない魅力があり、洋楽をあまり聴かないという方であってもオススメできるバンドです!

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The Morning DewThe Chieftains

アイルランドが生んだ国宝級のグループであり、伝統的なアイリッシュ・トラッド~ケルト・ミュージックをモダンな感性でアップデートした音楽性で人気を博し、世界的な知名度を誇る現在進行形の伝説、それがザ・チーフタンズです。

1962年に結成された彼らは、オリジナル・メンバーとしては当初の6人から3人となってはおりますが、若手のサポート・メンバーの力を借りつつ2010年代をこえても精力的なワールド・ツアーを行っているというのが、すでに驚異的ですよね。

スタンリー・キューブリック監督の名作映画『バリー・リンドン』において『Women Of Ireland』などの劇中歌を担当し、アカデミー賞で歌曲賞を受賞したことで一躍その名が知れ渡り、以降はロックやポップス、クラシックなどジャンルをこえた多くのミュージシャンと共演を果たし、6回のグラミー賞受賞などの栄誉に輝いています。

リリースしたアルバムは45枚をこえ、そのすべてを網羅するのはなかなか難しいですが、まずはベスト盤で彼らの音楽に触れ、同じアイルランド出身のヴァン・モリソンさんと共演して世界的な成功を収めた『Irish Heartbeat』などから手を出してみてはいかがでしょうか。

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