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素晴らしきアイリッシュ~アイルランド出身の人気バンド

歴史ある国、アイルランドから生まれる音楽はとても魅力的で、アイリッシュという単語を目にしただけで興味を持つ音楽好きな方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

日本人も含めて、アイルランド人ではないミュージシャンが鳴らすアイリッシュ・フォークやアイリッシュ・パンクなどもあるほどです。

今回の記事では、そんなアイルランドが輩出した素晴らしいロック・バンドや音楽グループをピックアップ。

世界的な人気バンドから最近の若手注目株まで、幅広いラインアップで紹介します!

洋楽がお好きな方でも、実はアイルランド人のバンドとは知らなかった、なんて発見があるかも?

ぜひご覧ください!

素晴らしきアイリッシュ~アイルランド出身の人気バンド

Napoleon ComplexThe Divine Comedy

ダンテ・アリギエーリの長編叙事詩であり、世界文学の古典中の古典である『神曲』から大胆にもバンド名を取ったディヴァイン・コメディは、1989年に北アイルランドで結成されたバンドです。

とはいえ、バンドとして活動していたのは初期だけで、1993年のセカンド・アルバム『Liberation』からは実質的に中心人物ニール・ハノンさんのソロ・プロジェクトです。

日本ではギターポップやネオアコといったジャンルがお好きな方にはよく知られている名前ではありますが、一般的な知名度はあまり高いとはいえないかもしれませんね。

大胆なオーケストラ・サウンドを駆使したチェンバー・ポップを軸として、確かなソングライティング・センスを持ったニールさんのダンディなボーカル、英国的なアイロニーが込められた歌詞はどこまでもドラマチックで、他では見られない気高さすら感じさせる知的な音楽性は、他では見られないディヴァイン・コメディ独自のものです。

そのたたずまいから音楽、すべてがヨーロッパ的であり、2020年代の今も現役で活動するディヴァイン・コメディは、欧州では絶大な人気を誇っているのも納得ですよね。

ストレートな分かりやすさはないですが、一度はまってしまえば抜け出せなくなってしまうかも?

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The Morning DewThe Chieftains

アイルランドが生んだ国宝級のグループであり、伝統的なアイリッシュ・トラッド~ケルト・ミュージックをモダンな感性でアップデートした音楽性で人気を博し、世界的な知名度を誇る現在進行形の伝説、それがザ・チーフタンズです。

1962年に結成された彼らは、オリジナル・メンバーとしては当初の6人から3人となってはおりますが、若手のサポート・メンバーの力を借りつつ2010年代をこえても精力的なワールド・ツアーを行っているというのが、すでに驚異的ですよね。

スタンリー・キューブリック監督の名作映画『バリー・リンドン』において『Women Of Ireland』などの劇中歌を担当し、アカデミー賞で歌曲賞を受賞したことで一躍その名が知れ渡り、以降はロックやポップス、クラシックなどジャンルをこえた多くのミュージシャンと共演を果たし、6回のグラミー賞受賞などの栄誉に輝いています。

リリースしたアルバムは45枚をこえ、そのすべてを網羅するのはなかなか難しいですが、まずはベスト盤で彼らの音楽に触れ、同じアイルランド出身のヴァン・モリソンさんと共演して世界的な成功を収めた『Irish Heartbeat』などから手を出してみてはいかがでしょうか。

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Suspect DeviceStiff Little Fingers

北アイルランドはベルファスト出身、伝説的なパンク・バンドとして2020年代の今も現役で活動中のスティッフ・リトル・フィンガーズ。

70年代パンクを愛好していて、彼らを知らないという方はいないだろうというくらいに有名なバンドです。

1977年というパンクの歴史において最も重要と言っても過言ではない年に結成され、1979年にリリースした永遠の名盤にしてデビュー・アルバム『Inflammable Material』は全英アルバム・チャートで14位を記録するスマッシュ・ヒットを記録。

その音楽性と急進的かつ攻撃的な歌詞から、アイルランド版のクラッシュとも称さる彼らは1982年に1度解散するも、1987年に再始動、アルバムのリリースやツアーを重ねる中で、来日公演も果たしています。

2014年にリリースしたアルバム『No Going Back』がBBC Rock Album Chartで1位を記録するなど、彼らの根強い人気が分かるというものでしょう。

セックス・ピストルズやクラッシュくらいなら聴いているけど、という方もぜひアイリッシュの熱き魂と激情が込められたスティッフ・リトル・フィンガーズの音楽を聴いてみてください!

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I’m In the Mood for DancingThe Nolans

洋楽全盛期の70年代から80年代にかけて青春を過ごした方であれば、思わず懐かしさに目を細めてしまうかもしれませんね。

『ダンシング・シスター』という邦題で有名な『I’m in the Mood for Dancing』で知られるノーランズは、アイルランド出身の姉妹グループです。

もともとは家族で結成された「ザ・シンギング・ノーランズ」というグループが前身で、両親が脱退して残った娘たちがノーラン・シスターズとして仕切り直して1974年に本格的なデビューを果たします。

先述した『I’m in the Mood for Dancing』は1979年にリリースされ、ヨーロッパを中心に大ヒットを記録。

翌年にはノーランズと改名、日本では『ダンシング・シスター』としてリリースされた『I’m in the Mood for Dancing』がオリコン・シングル・チャートで何と1位をマーク。

史上初の海外グループによる国内デビューシングル、海外女性グループのオリコン総合シングルチャート1位という栄誉を授かりました。

いかにも時代を感じさせるダンサンブルなポップ・ディスコは、レトロなディスコ・サウンドが人気を集めている2020年代の今、改めて誰かがカバーすれば大ヒットの予感がします!

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The Whole of the MoonThe Waterboys

英国はエジンバラで結成されたバンドながら、アイルランドの伝統音楽とロックを融合させたサウンドで高い人気を誇るのが、ザ・ウォーターボーイズです。

2016年、フロントマンのマイク・スコットさんが日本のアーティストろくでなし子さんと結婚したことで、バンドを知らない層にもその名が知られたことも記憶に新しいですね。

そんなザ・ウォーターボーイズは1983年に結成された大ベテランで、キャリア初期にアイルランドへ移住してアイリッシュ・ミュージックに傾倒した音楽性で素晴らしい作品をリリース、欧州を中心に人気バンドへと成長します。

1990年代中盤以降はほぼ解散状態となってしまいますが、2000年代以降はメンバーを一新して再び活発な活動を開始。

近年は再評価の機運も高まる中、定期的にアルバムをリリースして世界中のファンを喜ばせています。

ロック界が誇るリリシストと名高いマイク・スコットさんが率いるバンドですから、彼らの音楽を聴く際にはサウンドはもちろんぜひ歌詞に目を向けてみてくださいね。

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