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意外と身近なアイルランド民謡の名曲・定番曲まとめ
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意外と身近なアイルランド民謡の名曲・定番曲まとめ

アイルランド民謡というとどんな曲がご存じでしょうか?

国内でよく知られているアイルランド民謡というと、映画『タイタニック』の三等客室でジャックとローズが踊るシーンで使われた『John Ryan’s Polka』が有名です。

最近では無印良品の店内BGMでのアイルランド民謡のテイストを取り入れた曲が使われています。

アイルランド民謡の特徴は、バグパイプの仲間であるイリアン・パイプスやティン・ホイッスルなどが使用されることです。

そうした特徴的な楽器の音色に魅了されるリスナーも少なくありません。

この記事では、聴いているとついつい踊りだしたくなるような曲から癒やされる曲まで、アイルランド民謡の定番曲を紹介していきますね!

意外と身近なアイルランド民謡の名曲・定番曲まとめ

Londonderry Air(Danny Boy)

『Londonderry Air』というタイトルよりも『Danny Boy』と言われれば、あの曲かと得心する方は多いのではないでしょうか。

アイルランドの民謡であり、北アイルランドにおいては国家のような扱いの『ロンドンデリーの歌』にはさまざまなバリエーションの歌詞が付けられ、最も知られているのが『ダニー・ボーイ』と呼ばれるものなのですね。

日本語の訳詞としては、あのなかにし礼さんによるバージョンがとくに有名で、哀愁を帯びた美しいメロディと平和への願いを込めた歌詞が完ぺきな調和を見せています。

余談ですが、この曲については謎も多く、起源そのものや本来は一般の民衆でも歌いやすいはずの民謡とは思えない音域の広さなど、そういった逸話などを調べてみるのもおもしろいですよ!

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Shule Aroon

この楽曲の物悲しくも美しいメロディを聴いて、歌詞は違うバージョンをどこかで聴いたことがある、と感じた方は結構いらっしゃるのでは?

それは1960年代、アメリカで絶大な人気を誇ったフォーク・グループのピーター・ポール&マリーが1962年に発表した『Gone the Rainbow』のことでしょう。

『虹と共に消えた恋』という邦題でシングル・カットされ、ここ日本ではとくに人気の高かった楽曲なのですが、曲のベースとなったのがこちらの『Shule Aroon』なのですね。

戦争へと赴く恋人に対する女性の悲痛な願いが込められた楽曲であり、ピーター・ポール&マリーのバージョンでも反戦歌として歌われていました。

ケルティック・ウーマンやクラナドといった、アイルランド音楽~ケルト音楽で有名なグループもこの楽曲をカバーしていますよ。

なお、この『Shule Aroon』にはさまざまな歌詞のバリエーションが存在していますが、オリジナルの歌詞については詳細が不明なのだとか。

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My Lagan Love

優しい雰囲気でありながらもどこか神聖な、幽玄の響きを漂わせたメロディの素晴らしさが胸を打つ素晴らしい楽曲です。

アイルランドのトラディッショナルな民謡である『My Lagan Love』は、ヴァン・モリソンさんやシネイド・オコナーさん、ケルティック・ウーマンといったアイルランドのミュージシャンたちを中心として、クラシック音楽とポップスを融合させたスタイルで「天使の歌声」と呼ばれたシャルロット・チャーチさん、超個性派の歌姫ケイト・ブッシュさんなど、多くのアーティストにカバーされ続けている人気の1曲。

日本でもZABADAKやOranges & Lemonsといった活動でも知られ、著名な歌手であり音楽プロデューサーでもある上野洋子さんが、2003年にこの楽曲を取り上げたアルバム『SSS -Simply Sing Songs-』をリリースしていますね。

余談ですが、タイトルの「Lagan」とは北アイルランドの首府ベルファストに流れるラガン川のことです。

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Swallowtail Jig

『Swallowtail Jig』は別名『The Dancing Master』などでも知られる、アイルランドの伝統的なジグ、舞曲としてとても有名な楽曲です。

ジグは6/8拍子や9/8拍子、12/8拍子といった細かい3連符が織り成す形で構成されているのが特徴的で、牧歌的な大らかさと躍動感とが一体化しているような、アイリッシュ・ミュージックならではの独特の魅力が聴いていて楽しいですよね。

基本的にはフィドルやティン・ホイッスルといったアイルランドの伝統音楽でよく使用される楽器で演奏されますが、YouTubeなどでさまざまな楽器で演奏している動画も多く見られますから、それぞれの違いをぜひ楽しんでみてほしいです。

ちなみに「Swallowtail」とはツバメの尾、もしくはアゲハチョウを意味する言葉ですが、このようなタイトルとなった理由は不明とのこと。

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Whiskey In The Jar

お酒が好きな方であれば、思わず反応してしまいそうなタイトルですよね!

陽気なリズムとパブで客のみんなが大合唱する姿が目に浮かぶようなメロディを持つ、こちらの『Whiskey In The Jar』は正確な起源は不明ながら、17世紀辺りではもう歌われていたとされており、1950年代には多くのアーティストたちに録音されていた楽曲。

世界的に広まったのは1960年代後半にアイリッシュ・フォーク・バンドのザ・ダブリナーズが自身のアルバムやシングルで取り上げたことがきっかけで、1973年にはアイルランドの英雄と呼ばれた伝説のロック・バンドのシン・リジィがカバーして大ヒットさせています。

そのシン・リジィのカバーを参考にしたと思われるのが、世界で最も売れているメタル・バンドであるメタリカによるバージョンでしょう。

1998年のカバー曲集『Garage Inc.』に収録され、後にシングル・カットもされました。

余談ですが、こんなにパーティー感のあふれる楽曲なのに、歌詞の内容自体は結構暗くドラマチックというのが何とも……。

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