意外と身近なアイルランド民謡の名曲・定番曲まとめ
アイルランド民謡というとどんな曲がご存じでしょうか?
国内でよく知られているアイルランド民謡というと、映画『タイタニック』の三等客室でジャックとローズが踊るシーンで使われた『John Ryan’s Polka』が有名です。
最近では無印良品の店内BGMでのアイルランド民謡のテイストを取り入れた曲が使われています。
アイルランド民謡の特徴は、バグパイプの仲間であるイリアン・パイプスやティン・ホイッスルなどが使用されることです。
そうした特徴的な楽器の音色に魅了されるリスナーも少なくありません。
この記事では、聴いているとついつい踊りだしたくなるような曲から癒やされる曲まで、アイルランド民謡の定番曲を紹介していきますね!
もくじ
- 意外と身近なアイルランド民謡の名曲・定番曲まとめ
- My Lagan Love
- Down by the Salley Gardens
- John Ryan’s Polka
- Shule Aroon
- Londonderry Air(Danny Boy)
- Irish Washerwoman
- The Kesh Jig
- Swallowtail Jig
- Whiskey In The Jar
- The Last Rose of Summer
- The Hills of Greenmore
- drowsy maggie
- Foggy Dew
- Star of the County Down
- The Hills of Connemara
- I’ll Tell Me Ma
- Believe me, if all those endearing young charms
- Kerry Reel
- The Lark in the Morning
- My Darling Asleep
意外と身近なアイルランド民謡の名曲・定番曲まとめ
My Lagan Love
優しい雰囲気でありながらもどこか神聖な、幽玄の響きを漂わせたメロディの素晴らしさが胸を打つ素晴らしい楽曲です。
アイルランドのトラディッショナルな民謡である『My Lagan Love』は、ヴァン・モリソンさんやシネイド・オコナーさん、ケルティック・ウーマンといったアイルランドのミュージシャンたちを中心として、クラシック音楽とポップスを融合させたスタイルで「天使の歌声」と呼ばれたシャルロット・チャーチさん、超個性派の歌姫ケイト・ブッシュさんなど、多くのアーティストにカバーされ続けている人気の1曲。
日本でもZABADAKやOranges & Lemonsといった活動でも知られ、著名な歌手であり音楽プロデューサーでもある上野洋子さんが、2003年にこの楽曲を取り上げたアルバム『SSS -Simply Sing Songs-』をリリースしていますね。
余談ですが、タイトルの「Lagan」とは北アイルランドの首府ベルファストに流れるラガン川のことです。
(KOH-1)
Down by the Salley Gardens
陽気なタイプのアイリッシュ・ミュージックとはまた違う、哀愁のメロディがなんとも心を揺さぶるアイルランド民謡の有名曲です。
『サリー・ガーデン』として知られるこちらの楽曲は、もともとはアイルランドの農家の女性が口ずさんでいた詩を、アイルランドが世界に誇る詩人・劇作家のウィリアム・バトラー・イェイツが編集したもので、若い男性の苦い恋の終わりをどこまでも詩情豊かに歌っています。
クラナドやケルティック・ウーマンのメンバーによるソロ楽曲などのバージョンで聞き覚えのある方もいらっしゃるでしょう。
手嶌葵さんによる『家族の風景』の原曲でもあり、意外なところでは、さまざまな意味で問題作となったアニメ作品『フラクタル』のエンディングテーマとしても起用されています。
(KOH-1)
John Ryan’s Polka
アイルランド民謡の定番曲の1つですが、何はともあれこの楽曲『John Ryan’s Polka』の知名度を世界的なものとしたのは、1997年に公開されたジェームズ・キャメロン監督作品『タイタニック』でしょう。
レオナルド・ディカプリオさんが演じるジャックと、ケイト・ウィンスレットさんが演じるローズが、タイタニック号の三等船室で踊るあの有名なシーンで使われた楽曲の1つ、といえば「あの曲か」と思わず納得されてしまう方も多いのでは。
この後の悲劇がまるで嘘のような、陽気で楽しい夢の時間といった雰囲気をアイリッシュらしい楽しげなリズムと旋律が見事に演出しています。
Bad Haggisというケルト音楽やスコットランド音楽をツールに持つアメリカのバンドのリーダーにして、バグパイプ奏者として世界的な知名度を誇るエリック・リグラーさんを始めとして、ケルト音楽系のバンドのメンバーが実際に演奏シーンで参加しているというのも踏まえた上で、あらためて『タイタニック』を見返してみるのもよいかもしれません!
(KOH-1)
Shule Aroon
この楽曲の物悲しくも美しいメロディを聴いて、歌詞は違うバージョンをどこかで聴いたことがある、と感じた方は結構いらっしゃるのでは?
それは1960年代、アメリカで絶大な人気を誇ったフォーク・グループのピーター・ポール&マリーが1962年に発表した『Gone the Rainbow』のことでしょう。
『虹と共に消えた恋』という邦題でシングル・カットされ、ここ日本ではとくに人気の高かった楽曲なのですが、曲のベースとなったのがこちらの『Shule Aroon』なのですね。
戦争へと赴く恋人に対する女性の悲痛な願いが込められた楽曲であり、ピーター・ポール&マリーのバージョンでも反戦歌として歌われていました。
ケルティック・ウーマンやクラナドといった、アイルランド音楽~ケルト音楽で有名なグループもこの楽曲をカバーしていますよ。
なお、この『Shule Aroon』にはさまざまな歌詞のバリエーションが存在していますが、オリジナルの歌詞については詳細が不明なのだとか。
(KOH-1)
Londonderry Air(Danny Boy)
『Londonderry Air』というタイトルよりも『Danny Boy』と言われれば、あの曲かと得心する方は多いのではないでしょうか。
アイルランドの民謡であり、北アイルランドにおいては国家のような扱いの『ロンドンデリーの歌』にはさまざまなバリエーションの歌詞が付けられ、最も知られているのが『ダニー・ボーイ』と呼ばれるものなのですね。
日本語の訳詞としては、あのなかにし礼さんによるバージョンがとくに有名で、哀愁を帯びた美しいメロディと平和への願いを込めた歌詞が完ぺきな調和を見せています。
余談ですが、この曲については謎も多く、起源そのものや本来は一般の民衆でも歌いやすいはずの民謡とは思えない音域の広さなど、そういった逸話などを調べてみるのもおもしろいですよ!
(KOH-1)
Irish Washerwoman
フィドルやヴァイオリン、もしくはギターやバグパイプといった楽器でメロディのみが演奏される構成でありながらも、メロディから生まれる独特のビートに思わず手拍子とともに踊り出したくなってしまう楽曲です!
17世紀から伝わるというアイルランド民謡~ジグの『Irish Washerwoman』は、一時期は歌詞も付けられて歌劇の中で歌われていたとか。
ボストン・ポップス・オーケストラのチーフ・アレンジャーとして名高いリチャード・ヘイマンさんが、自身の楽団を率いたリチャード・ヘイマン&ヒズ・オーケストラ名義で『Irish Rhapsody』というアルバムを発表しており、そこでもこちらの『Irish Washerwoman』が取り上げられていますから、クラシック音楽をお好きでケルト音楽に興味のある方はぜひチェックしてみてください。
(KOH-1)
The Kesh Jig
1997年の特大ヒット映画『タイタニック』において、陽気な音楽と相まってとてもハッピーな気分にさせてくれる名場面の1つに、主人公のジャックとローズが3等客室で踊るダンス・シーンがありますよね。
ここで使われている4つの楽曲は、どれもアイルランドやスコットランドの伝統的な音楽、ケルト音楽が使用されています。
本稿で紹介している『The Kesh Jig』は、映画ではパーティーの中において腕相撲をしているシーン辺りで使われていますよ。
映画本編をご覧になった方であれば、パーティーに参加している人たち皆が楽しそうであればあるほど、後半に訪れる悲劇的な展開に思わず胸を痛めてしまいそうですが……。
なお、この『Kesh Jig』は演奏するという点においても定番の人気曲であり、1970年代に人気を博したアイルランド伝統音楽を演奏する伝説的なバンド、ボシー・バンドのデビュー作の1曲目にも収録されていますから、ぜひチェックしてみてくださいね。
(KOH-1)