【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲
すでに海外では大きなムーブメントとなっている音楽ジャンル、その名も「SYNTHWAVE」をご存じですか?
80年代のレトロなシンセサイザー・サウンドや映画にドラマといったカルチャー全般から影響を受け、アートワークも含めてノスタルジックかつレトロフューチャーな雰囲気の世界観を作り上げているジャンルなのですね。
宅録系のアーティストたちがネットを中心に発表していたという経緯があり、ローファイヒップホップ辺りと同じくネット発の音楽として世界的な注目を集めています。
そこで今回は、まだ日本ではあまり知られていない「シンセウェイヴ」の世界を彩る名曲を一挙ご紹介します!
夜のドライブのBGMとしても、ぜひお楽しみください。
もくじ
- 【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲
- NightcallKavinsky
- A Real HeroCollege & Electric Youth
- Neo Tokyo (Dance With The Dead Remix)Scandroid
- A Race Against TimePYLOT
- GloriaThe Midnight
- Tech NoirGUNSHIP
- BrokendateCom Truise
- AndromedaDance with the Dead
- A.H.B.S U R V I V E
- Running In The Night (feat. Ollie Wride)FM-84
- I Am The ProgramMega Drive
- 1982 Space ProgramWaveshaper
- In The Face Of EvilMagic Sword
- NightdriveVHS Dreams
- Scarlet Speedster (feat. Rhea Raj)Wayfloe
- Crockett’s ThemeMichael Cassette
- Turbo KillerCarpenter Brut
- New TomorrowMiami Nights 1984
- Who You Run ToThe Bad Dreamers
- Exclusive CoupéMYRONE
【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲
NightcallKavinsky
「SYNTHWAVE」という音楽ジャンルに興味を持たれた方であれば、まずは聴くべき王道にしてクラシックと言っても過言ではないナンバー!
2011年に公開され、ニコラス・ウィンディング・レフン監督の知名度を世界的なものとした名作映画『ドライヴ』に起用されたこちらの『Nightcall』は、フランス出身のプロデューサー兼DJであるKavinskyさんが2010年に発表した楽曲です。
ややシリアスなイントロから、ヴォコーダーを使ったボーカルが雰囲気を盛り上げつつ、サビの女性ボーカルによる切ないメロディがどこか郷愁を誘う、シンプルながらも洗練されたトラックが独自の音世界を作り上げる見事なナンバーですね。
あのダフト・パンクの片割れであったギ=マニュエル・ド・オメン=クリストさんが共同プロデュースを務め、ミックスには同じくフランス出身の著名なエレクトロニック系ミュージシャンのセバスチャンさんが参加、ということでフレンチ・エレクトロ業界の名手たちの仕事ぶりにも注目です。
また、映画『ドライヴ』自体がシンセウェイヴ系のアーティストたちの楽曲を多くサウンドトラックに使用しているという事実も見逃せません。
楽曲を気に入った方は、確実にサントラもチェックしましょう!
(KOH-1)
A Real HeroCollege & Electric Youth
『Nightcall』と並んで、シンセウェイヴの名曲を語る上で欠かせない重要な楽曲と言えましょう。
フレンチ・エレクトロ系アーティストのDavid Grellierさんによるシンセポップ~シンセウェイヴのプロジェクトCollegeと、カナダ出身のシンセポップ・デュオであるElectric Youthがコラボレーションして発表した『A Real Hero』は2010年にシングルとしてリリースされ、2011年に公開された映画『ドライヴ』に起用されたナンバーです。
ほんのり哀愁を帯びた切ないメロディを歌う女性ボーカルを軸として、80年代エレクトロポップ直系の揺らめくシンセと、スペーシーな音響を用いた幻想的な世界観を演出する音世界はノスタルジックかつドリーミーで聴きやすく、初めてこういった音楽を聴く方であっても抵抗なく楽しめるはず。
個人的には、2010年代以降のM83とかがお好きな方にもオススメ!
ちなみにタイトルにもなっている「真のヒーロー」については、偉大な功績を残して「ハドソン川の英雄」と呼ばれている空軍出身の民間航空機パイロット、チェズレイ・サレンバーガーさんをテーマとしているのだとか。
いわゆる「USエアウェイズ1549便不時着水事故」と呼ばれる航空事故について調べつつ、歌詞を読んでいただきたいですね。
(KOH-1)
Neo Tokyo (Dance With The Dead Remix)Scandroid
強烈なギターとシンセが大胆に絡み合うダンサンブルなイントロだけで、一気に持っていかれてしまう最高のキラーチューン!
Celldweller名義の活動でも知られている、マルチ・インストゥルメンタリストのKlaytonさんが2013年に新たにスタートさせたScandroidは、シンセウェイヴ界隈の中でも大きな注目を浴びている存在です。
80年代的要素をレトロなシンセ・サウンドを用いながらも現代的な形で表現している、という点では他のアーティストと同じではありますが、Scandroidについてはよりロック色が強いのが特徴的ですね。
そんなScandroidによる『Neo-Tokyo』は、2016年に発表されたセルフタイトルのデビュー作に収録された楽曲で、今回紹介しているのは翌年の2017年にリリースされたリミックス版です。
同じくシンセウェイヴの人気ユニットにしてロックやメタル色の強いDance with the Deadによるリミックスで、原曲以上にハードな仕上がりとなっております。
YouTube上で1,300万回以上も再生されていることからも、このリミックス版の突出した人気ぶりが理解できるはず。
サイバーパンク風のビジュアル・イメージもバッチリですし、やはりAKIRAからインスパイアされているのかな……と個人的には予想しています。
(KOH-1)
A Race Against TimePYLOT
シンセウェイヴは決してアナログ・シンセだけが使用されているわけではなく、ギター・サウンドをフィーチャーしている楽曲も多く存在しています。
80年代の映画『処刑ライダー』の主人公のようなヘルメットを装着したアーティスト・ビジュアルで、正体不明で経歴も謎に包まれているPYLOTは、2015年にデビュー・シングルをリリースした音楽プロデューサーです。
本稿で取り上げている『A Race Against Time』は4枚目となるシングル曲で、レトロな80年代シンセ・サウンドをベースとしながらも、なかなかラウドなバッキング・ギターが良いアクセントとなっている名曲です。
あくまで主軸はシンセ・サウンドであり、ここでのギターはサウンドをより分厚いものとするため、くらいの雰囲気で導入されているバランス感覚がポイントですね。
静と動をうまく演出した楽曲展開も、ドラマチックで実にカッコいい。
もちろんロマンティックなメロディ・ラインも随所に盛り込まれていますよ。
余談ですが、PYLOTの正体はRundfunkという名義でも活動していたエレクトロ系のミュージシャンであるTim Butlerさん、とのことです。
(KOH-1)
GloriaThe Midnight
なんというか、ユニット名の「The Midnight」がシンセウェイヴの世界観をそのまま体現しているかのようです。
2012年に活動を開始した彼らは、アメリカはアトランタを拠点とするTyler Lyleさんとロサンゼルスを拠点に活動するTim McEwanさんのデュオで、映画『ドライヴ』のサウンドトラックなどからインスパイアされて結成されたのだとか。
今やシンセウェイヴというジャンルの中でも特に高い人気を誇る彼らのサウンドは、シンセポップやニューウェーブへの憧憬はもちろん、AORやシティポップ的な要素も兼ね備え、シンセウェイヴに興味がある方はもちろん、より多くの音楽ファンへアピールできるポテンシャルを秘めた楽曲が特徴的です。
今回紹介している『Gloria』は、2014年に発表された楽曲で彼らのキャリアの中では初期の名曲と言えるナンバー。
同年にリリースされたEP作品『Days of Thunder』にも収録されており、疾走するシンセ・サウンドと覚えやすいサビが文句なしの80年代ノスタルジアを演出する最高の楽曲です!
あの名作映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のフッテージを使ったMVもハマりすぎで、実際に映画のどこかのシーンで使われていたのではないかと錯覚させるほど。
シンセウェイヴはビジュアル・イメージが重要なジャンルですから、ぜひMVも合わせてチェックしましょう!
(KOH-1)
Tech NoirGUNSHIP
00年代以降のUKロック~ポップがお好きな方であれば、バステッドという人気バンドをご存じでしょう。
そのバステッドのメンバーであるチャーリー・シンプソンさんによる別バンド、ファイトスターに在籍しているボーカリストとベーシストが新たに始めたプロジェクトのGunshipは、まさに80年代レトロ一直線のシンセウェイヴ・サウンドを鳴らしているユニットです。
グランジやオルタナティブ・ロックに影響を受け、いかにも00年代的なポスト・ハードコア~スクリーモを鳴らしていたファイトスターを知っている方は驚いてしまうかもしれませんが、このような音楽センスを持ったメンバーもいたのか……とむしろ感心してしまいます。
2015年に発表された『Tech Noir』は、そんな彼らが同年にリリースしたセルフタイトルのデビュー・アルバムに収録された楽曲です。
YouTube上では900万回以上も再生された人気曲で、こだわりの80年代的なキーワード満載の映像も楽しいメロディアスでノスタルジックな名曲なのですね。
エレクトロ系の音に抵抗のある方でも、すんなり入り込めるメロディの素晴らしさが際立っております。
もはや前身のバンドや経歴などを知らない層にも高い評価を得ている彼らの音世界を、ぜひこの機会に味わってみてください!
(KOH-1)