海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ
「SKA」は1950年代から1960年代にかけてジャマイカで生まれた音楽ジャンルで、アメリカのジャズやR&B、ジャマイカのフォーク音楽と呼ばれる「メント」などの影響を受けて誕生したと言われています。
スカについてほとんど知らないという方であっても、2、4拍目が強調されたビートを一度は耳にしたことがあるはず、と言うくらいに実はスカの要素はさまざまなジャンルの中で取り入れられているのですね。
そんなSKAをこれから聴いてみたいという方に向けて、オリジナルのスカから2トーン・ネオスカにスカパンク、スカコアといったさまざまなジャンルで活躍する代表的な洋楽のバンドを一挙ご紹介します!
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海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ
One Step BeyondMadness
スペシャルズやザ・セレクターといったバンドと並んで、1970年代後半から80年代前半のイギリスの2トーン・スカ~ネオ・スカのブームを代表するバンドがマッドネスです。
1980年代に青春を過ごされた方であれば、ホンダの名車「ホンダ・シティ」のCMに出演したユーモラスなバンド・メンバーの姿を記憶しているという人は多くいらっしゃるでしょう。
そんなマッドネスは同時代に活躍した他のスカ・バンドと比べても幅広い音楽性を武器として息の長い活動を続けていることでも知られており、1986年に一度解散するも1992年に再結成を果たしてオリジナル・アルバムもリリース、2016年に発表された通算11枚目のアルバム『Can’t Touch Us Now』は全英チャート5位を記録して変わらぬ人気ぶりをアピールしています。
そんな彼らのスカ・バンドとしての魅力を堪能したい方は、やはり初期の音源をチェックしてもらうのがよいでしょう。
1979年にリリースされたデビュー・アルバム『One Step Beyond…』はイギリスが誇るパンク~ニューウェーブ系の伝説的なレーベル「Stiff Records」からリリースされ、全英チャート2位というヒットを記録しています。
実際に聴けば分かりますが、オーセンティックなスカを下敷きとしたインストゥルメンタル・ナンバーからバラードまで非常にバラエティ豊かな楽曲がずらりと並んでおり、哀愁を帯びたサックスの音色も良いアクセントとなっていますね。
スカという枠内にとどまらず、まさに英国の「粋」が詰まったブリティッシュ・ミュージックの素晴らしさを味わえるバンドです!
(KOH-1)
SanteriaSublime
スカにレゲエ、ダブやヒップホップ、そしてパンクといったさまざまなジャンルを融合、ごった煮サウンドで90年代において人気を博したバンドのサブライム。
ノー・ダウトと並んで、1990年代においてカリフォルニアが生んだスカ・バンドの代表的な存在として知られる彼らですが、1996年に発表されたセルフタイトルのサード・アルバムがアメリカだけでも600万枚という大ヒットを記録するも、アルバム・リリース前にフロントマンのブラッドリー・ノウェルさんの急死によって遺作となってしまったことは、90年代のロック史における悲劇的な出来事として今も語り継がれていますね。
そんなサブライムは1988年にアメリカはカリフォルニア州のロング・ビーチにてトリオ編成で結成され、1996年の解散まで鉄壁の3人組として活動を続けました。
1992年にインディーズにてデビュー・アルバム『40oz. to Freedom』をリリース、2年後にはセカンド・アルバム『Robbin’ the Hood』を発表してアンダーグラウンドのシーンで熱狂的なファンを獲得した彼らは満を持してメジャーへと進出して前述したラスト・アルバム『Sublime』をリリースして大ヒットさせました。
ノウェルさんはインタビューで「すべての始まりはスカ」と述べており、同時にパンクの疾走感やレゲエ・サウンドなどから影響を受けて独自のサブライム・サウンドを作り上げたそうです。
悲劇的な結末を思うと楽しい気分にはなれないかもしれませんが、彼らの残した音楽を聴けばノウェルさんを魅了したスカの魅力がきっと伝わるはずです。
(KOH-1)
Save It For LaterThe Beat
あまりにも潔いバンド名が最高にカッコいい、イギリスはバーミンガムが生んだザ・ビート。
同名のバンドが存在していたこともあって、アメリカやカナダでは「the English Beat」として、オーストラリアでは「the British Beat」という名義で活動していたことでも知られる彼らは、1979年にザ・スペシャルズが主催するレーベル「2トーン」よりスモーキー・ロビンソンさんの名曲をカバーしたデビュー・シングル『Tears of a Clown』をリリース、全英チャート6位をマークして一躍人気バンドとして世に躍り出ます。
1980年には自らが立ち上げたレーベル「Go-Feet」よりデビュー・アルバム『I Just Can’t Stop It』を発表、こちらも全英チャート3位という好成績を残しました。
スペシャルズにマッドネス、セレクターといったバンドと並び称されるザ・ビートの音楽性は、他のバンドと比べるとパンク色が薄く、オーセンティックなスカやロック・ステディの要素が色濃くラテンやソウルといったジャンルを取り入れたサウンドというのが特徴的です。
ネオ・スカ勢の中でも最もルーツに忠実でありつつ、ニューウェーブ時代にも呼応した独自のサウンドを提示した彼らが残した3枚のオリジナル・アルバムは、スカに興味のある方はもちろん、80年代の英国ニューウェーブを深掘りしていきたいという方にもぜひチェックしてもらいたいですね!
(KOH-1)
SpiderwebsNo Doubt
スカパンクを独自のセンスでさまざまなジャンルとミックスさせ、1990年代に世界的な成功を収めたノー・ダウト。
フロントに立つグウェン・ステファーニさんはソロ・アーティストとしても大人気ですし、大の親日家ということで日本でも親しまれていることからノー・ダウトを知らなくてもグウェンさんは知っている、という方も多いかもしれませんね。
そんなノー・ダウトは1986年に結成され、グウェンさんと実兄のエリック・ステファニーさんを中心としたバンドでした。
その後はいくつかのメンバーの入れ替わりがあり、1989年にエイドリアン・ヤングさんが加入、1994年にはエリックさんが脱退して広く世に知られた4人組のノー・ダウトが誕生します。
彼らは下積みが長くなかなか売れなかったのですが、1995年にリリースされたサード・アルバム『Tragic Kingdom』でようやくブレイク。
聴いてすぐにそれと分かるグウェンさんの艶っぽくもキュートなボーカル、鉄壁のバンド・アンサンブルが織り成すスカやパンクをポップに仕上げた楽曲はどれも粒ぞろいの出来栄えで、このアルバムから「スカ」を知ったという方も特にロック・ファンの方であれば意外といらっしゃるのではないでしょうか。
スカという視点では、タイトル通りレゲエやスカへの傾倒を感じさせる2001年にリリースされたアルバム『Rock Steady』もぜひ聴いてほしいのですが、ノー・ダウトを聴いたことがないという方であれば、やはり最初は『Tragic Kingdom』をオススメします!
(KOH-1)
The World Is NewSave Ferris
ノー・ダウトやダンス・ホール・クラッシャーズと並んで、1990年代の女性ボーカリストを擁するスカパンク・バンドの代表的な存在といえばセイヴ・フェリスでしょう。
90年代に洋楽を愛聴していた方であれば、デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの代表的なヒット曲『Come on Eileen』を軽快なスカパンク調にカバー、ヒットさせたことを覚えているという人も多いのではないでしょうか。
そんなセイヴ・フェリスは1995年にカリフォルニア州オレンジカウンティにて結成され、1997年にはメジャー・レーベルよりデビュー・アルバム『It Means Everything』をリリース。
2年後の1999年にはセカンド・アルバム『Modified』をリリースするも2003年に解散してしまいますが、2013年に再結成を果たして2017年には新作のEP『Checkered Past』を発表しています。
商業的に大きな成功を収めたわけではないのですが、スカパンク・シーンにおいて人気を博して彼らの影響を公言するミュージシャンも多いのですね。
フロントに立つモニーク・パウエルさんの艶っぽく表情豊かで伸びやかな歌声は、あのグウェン・ステファニーさんに勝るとも劣らない魅力を持ち合わせていますし、ノー・ダウトは好きだけどセイヴ・フェリスは聴いたことがない、という方にもぜひチェックしてほしいバンドですね!
(KOH-1)
RatatatThe Skints
2000年代後半以降にデビューしたスカ~レゲエ・バンドの中でも、注目を集めているのがこちらのスキンツです。
イギリスはロンドンにて2007年に結成されたスキンツは、ハードコア・パンクやスカパンクを出発点としながらもレゲエやダブなどの要素が色濃いサウンドへとシフト、イギリスならではのグライムなどのジャンルも飲み込んだハイブリッドな音楽性を持つバンドへと成長を遂げます。
そんなスキンツ独自の音楽性は「トロピカル・パンク」とも呼ばれており、さまざまなスタイルの歌唱を操る紅一点のボーカリストであるマーシャ・リチャーズさんのみならず、ギタリストがラップを、ドラマーがソウルフルなボーカルを披露するなど曲によってリード・ボーカルが代わることも彼女たちの大きな特徴ですね。
2トーン・スカの系譜に連なる最新型の英国スカを知りたいという方であれば、スキンツのサウンドは必聴と言えましょう!
(KOH-1)