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海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ

「SKA」は1950年代から1960年代にかけてジャマイカで生まれた音楽ジャンルで、アメリカのジャズやR&B、ジャマイカのフォーク音楽と呼ばれる「メント」などの影響を受けて誕生したと言われています。

スカについてほとんど知らないという方であっても、2、4拍目が強調されたビートを一度は耳にしたことがあるはず、と言うくらいに実はスカの要素はさまざまなジャンルの中で取り入れられているのですね。

そんなSKAをこれから聴いてみたいという方に向けて、オリジナルのスカから2トーン・ネオスカにスカパンク、スカコアといったさまざまなジャンルで活躍する代表的な洋楽のバンドを一挙ご紹介します!

海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ

New GirlThe Suicide Machines

アメリカはミシガン州、デトロイト出身のスーサイド・マシーンズも、USスカパンクを語る上では欠かせないバンドです。

日本のスカパンク系のバンドでも、彼らに影響を受けてバンドを始めたというミュージシャンが多くいるほどで、スカパンクのレジェンドとしてリスペクトされている存在なのですね。

1991年に結成された彼らは数年のインディーズでの活動を経て、1995年にメジャー・レーベルより初となるアルバム『Destruction by Definition』をリリース。

荒々しいパンクと軽快なスカを融合させたサウンドで、本国アメリカのみならず前述したように日本でもパンク・ファンの間で大いに話題となりました。

続く1998年のセカンド・アルバムにして名盤の誉れ高い『Battle Hymns』はほとんどの曲が2分未満という攻撃的なショート・チューンで構成されており、スカコアの中でもハードコア色が強いサウンドとなっていますね。

スカコアとしての彼らを楽しみたい方であれば、同アルバムに収録されている名曲『Give』辺りをオススメします。

ちなみにセルフタイトルとなった2000年のサード・アルバムについては、ビートルズなどの影響を受けたパワーポップ的なサウンドが強調された作風となっており、彼らのまた違った側面を楽しめる作品ではあるのですが、スカパンクやハードコアパンクとしての彼らを期待している方には注意が必要かもしれません!

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RatatatThe Skints

2000年代後半以降にデビューしたスカ~レゲエ・バンドの中でも、注目を集めているのがこちらのスキンツです。

イギリスはロンドンにて2007年に結成されたスキンツは、ハードコア・パンクやスカパンクを出発点としながらもレゲエやダブなどの要素が色濃いサウンドへとシフト、イギリスならではのグライムなどのジャンルも飲み込んだハイブリッドな音楽性を持つバンドへと成長を遂げます。

そんなスキンツ独自の音楽性は「トロピカル・パンク」とも呼ばれており、さまざまなスタイルの歌唱を操る紅一点のボーカリストであるマーシャ・リチャーズさんのみならず、ギタリストがラップを、ドラマーがソウルフルなボーカルを披露するなど曲によってリード・ボーカルが代わることも彼女たちの大きな特徴ですね。

2トーン・スカの系譜に連なる最新型の英国スカを知りたいという方であれば、スキンツのサウンドは必聴と言えましょう!

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The Impression That I GetThe Mighty Mighty Bosstones

アメリカのスカコア・バンドの先駆的な存在にして、2022年に突然解散を発表して39年という長いキャリアに終止符を打ったザ・マイティ・マイティ・ボストンズ。

アメリカはマサチューセッツ州ボストン出身、1983年に結成された彼らは本国のハードコアパンク・シーンに身を置きながらも、1970年代後半のイギリスで勃発した「2トーン・スカ」のムーブメントに多大な影響を受けたというルーツを持つバンドで、そういった音楽的なバックボーンがサウンドにも明確に表れています。

アンダーグラウンド・シーンでライブ活動を続け、1989年に同郷の名門インディーズ・レーベル「Taang! Records」よりデビュー・アルバム『Devil’s Night Out』をリリース。

荒々しいハードコアの精神と軽快な2トーン・スカが交互に登場するサウンドは多くの熱狂的なファンを生み出し、1993年には満を持してメジャー・レーベルよりサード・アルバム『Don’t Know How to Party』を発表しています。

1997年にリリースされた5枚目のアルバム『Let’s Face It』はビルボード・チャート27位という好成績をマーク、リード・シングル『The Impression That I Get』が同じくビルボードのモダンロック・トラックスにて1位を獲得するなど彼らのキャリアの中で最も成功を収めた作品となりました。

MVやアーティスト写真を見ればわかるように、ハードコアパンク出身ながら2トーン・スカの伝統に忠実な形で、びしっとスーツで決めているルックスも最高にカッコいいですよね!

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Two Tone ArmyThe Toasters

本稿で取り上げている楽曲『Two Tone Army』のタイトルを見て、ああこれはイギリスの2トーン・スカの一派なのだろうなと思われた方も多いのではないでしょうか。

こちらのトースターズですが、実は1981年にアメリカはニューヨークにて結成されたアメリカン・スカバンドの大ベテランなのですね。

フロントマンにして唯一のオリジナル・メンバー、Robert “Bucket” Hingleyさんはイギリス生まれのイギリス人で、さまざまな国に移り住んだ後にニューヨークへ移住したのが1970年代後半のこと。

その時に2トーン・スカの代表的なバンドであるザ・ビートの公演を目撃して、トースターズの結成に至ったのだとか。

バンド結成後に自主レーベル「Moon Records」を設立、こちらのレーベルは後に「Moon Ska Records」と改名して初期のダンス・ホール・クラッシャーズや日本のスカコア・バンドの大御所ルード・ボーンズの作品をリリースしたことでも知られていますね。

そんなトースターズの音楽性はスカを基本としながらもポップスやR&Bにカリプソといったジャンルも柔軟に取り入れ、多民族で構成されたバンドということもあって黒人や白人を問わず多くのオーディエンスから熱狂的に迎え入れられました。

1990年代のスカパンク以前のアメリカのスカを知りたい方も、ぜひ彼らの音楽に触れてみてください!

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The World Is NewSave Ferris

ノー・ダウトやダンス・ホール・クラッシャーズと並んで、1990年代の女性ボーカリストを擁するスカパンク・バンドの代表的な存在といえばセイヴ・フェリスでしょう。

90年代に洋楽を愛聴していた方であれば、デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの代表的なヒット曲『Come on Eileen』を軽快なスカパンク調にカバー、ヒットさせたことを覚えているという人も多いのではないでしょうか。

そんなセイヴ・フェリスは1995年にカリフォルニア州オレンジカウンティにて結成され、1997年にはメジャー・レーベルよりデビュー・アルバム『It Means Everything』をリリース。

2年後の1999年にはセカンド・アルバム『Modified』をリリースするも2003年に解散してしまいますが、2013年に再結成を果たして2017年には新作のEP『Checkered Past』を発表しています。

商業的に大きな成功を収めたわけではないのですが、スカパンク・シーンにおいて人気を博して彼らの影響を公言するミュージシャンも多いのですね。

フロントに立つモニーク・パウエルさんの艶っぽく表情豊かで伸びやかな歌声は、あのグウェン・ステファニーさんに勝るとも劣らない魅力を持ち合わせていますし、ノー・ダウトは好きだけどセイヴ・フェリスは聴いたことがない、という方にもぜひチェックしてほしいバンドですね!

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Lip up FattyBadManners

1970年代後半以降に活躍したイギリスのネオスカ・バンドの中でも、1度の解散はあったものの長きに渡り活動を続ける大ベテラン・バンドとして有名なバッド・マナーズ。

唯一のオリジナル・メンバーにして頭をそり上げた巨漢というルックスも強烈なフロントマン、バスター・ブルッドヴェッセルさんを中心としてバッド・マナーズが結成されたのは1976年のこと。

彼らは2トーン・レコーズと契約したバンドというわけではないのですが、2トーン・ブームと密接につながった活動を続けながらテレビ出演やドキュメンタリー映画で取り上げられるなど、シーンの象徴的な存在の1つとして認知されています。

1980年のデビュー・アルバムにして名盤『Ska ‘n’ B』のアルバム・ジャケットを見ていただければわかりますが、バスターさんと思しき人物のコミカルなイラストが他のバンドとひと味違う雰囲気を感じさせますよね。

彼らの音楽は同時代の2トーン~ネオスカ勢の中でもとくにキャッチーでポップ、ハッピーなキラーチューンがめじろ押しで、ややB級感はあるものの、それもまた1つの「味」として楽しめるはずです。

細かいことは抜きにして、軽快な2トーン・スカを楽しみたいという方はぜひバッド・マナーズをチェックしてみてください!

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